53.風山漸(ふうざんぜ ん)順序正しく進む時
卦 象

運勢予報
晴れ
卦  辞
漸。女帰吉。利貞。
(ぜんはぢょとつぐにきち。ていによろし。)
運  勢
「漸」は徐々に進むこと。「風山漸の時、女が正しい順序を守って結婚するのは吉。貞正であれば良い」。正しい結婚には見合い、結納、 挙式と順序があります。この正しい結婚のあり方を示した卦が風山漸であり、したがって結婚の卦といわれます。風山漸の時には、万事において世の常識に則っ た漸進主義をとります。サラリーマンの方なら、たゆまぬ努力によって徐々に地位が昇進し、信望を得てくるでしょう。易の勉強もこのように基礎から着実に積 み上げていくものです。インスタント仕立てのものは土台がもろく、奥深さもなく空しいものです。「千里の道も一歩から」、順序正しく急進せず、焦らず着実 に 進めていくことにより、揺るぎない自信が培われ、最後は大きな喜びが花開くことになるのです。最短距離、一足飛びなどは決して望むべからず。
初爻 爻辞 鴻漸于干。小子氏B有言。无咎。
(こうみぎわにすすむ。しょうしあやうし。ことあり。とがなし。)
対処法 「鴻」は水鳥。「小子」は若者のこと。「小鳥が水際まで進んだ。水際は他の動物が獲物を狙うところで、小鳥は危険である。いろいろ文 句 も出るが問題はない」。出足が肝腎です。まだまだひよっこ、慎重に行動しましょう。
二爻 爻辞 鴻漸于磐。飲食〓々。吉。
(こういわおにすすむ。いんしょくかんかんたり。きち。)
対処法 「鴻」は水鳥。「〓々」は和やかに楽しいこと。「水鳥が川の中の岩の上に進んだ。水も飲め、魚も獲れ、飲食を楽しめる。吉」。収入も 増え、ゆとりのある時です。目上の信頼に応えること。
◎良い時です。
三爻 爻辞 鴻漸于陸。夫征不復。婦孕不育。凶。利禦冠。
(こうりくにすすむ。ふゆきてかえらず。ふはらみていくせず。きょう。あだをふせぐによろし。)
対処法 「鴻」は水鳥。「冠」は敵、賊のこと。「水鳥が陸に上がった。夫は蒸発、妻は身ごもっても子を育てようとはしない。凶。外敵を防ぐこ とだ」。家庭内に波風が立ちそうな時です。自分勝手な行動は災いの元になります。
◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。
四爻 爻辞 鴻漸于木。或得其桷。无咎。
(こうきにすすむ。あるいはそのかくをう。とがなし。)
対処法 「鴻」は水鳥。「桷」は木の枝のこと。「水鳥が木に進んだ。止まり木を得た。問題はない」。とりあえず足場はできましたが、まだまだ 不安定な時です。これからが正念場、慎重に行動し、木から落ちないようにしましょう。
五爻 爻辞 鴻漸于陵。婦三歳不孚。終莫之勝。吉。
(こうりょうにすすむ。ふさんさいはらまず。ついにこれにかつことなし。きち。)
対処法 「鴻」は水鳥。「陵」は丘のこと。「水鳥が高い丘に進んだ。妻は三年間も妊娠しなかった。邪魔者がいたからであるが、この邪魔者は勝 てないと悟っていなくなり、先が見えてきた。吉」。長い間悩んでいたことが解決する時です。根気が大切。
◎良い時です。
上爻 爻辞 鴻漸于逵。其羽可用為儀。吉。
(こうきにすすむ。そのはねもちいてぎとなすべし。きち。)
対処法 「鴻」は水鳥。「逵」は雲路のこと。「水鳥が空高く雲路を飛ぶ。その羽の美しい姿は儀式の飾りに用いて良いほどである。吉」。水鳥が 整然と並んで空を飛ぶ姿は実に美しいものです。そこには順序と秩序があります。人から手本として仰ぎ見られるほど有終の美が飾れる時。
◎大変良い時です。
※太極・陰陽・八卦(天、沢、火、雷、風、水、 山、地)の解説については、こちらをクリックしてご覧下さい。
※コンピューター上で表示されない古語 は「〓」で表示しました。この 古語は「易経入門」の中には記載しています。
※易経六十四卦はそれぞれ、卦象、卦辞、爻辞からなります。1. 乾為天2.坤為地の所には卦象と爻の位置関係を詳しく記してお ります。