50.火風鼎(かふうてい)天 下に堂々と存在する時 | ||
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快晴 |
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鼎。元吉。亨。 (ていはげんきち。とおる。) |
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「鼎」はかなえ、すなわち、煮炊きする三本足の器のこと。安定の意味。「火風鼎の時、大いに 吉。通じる」。どっしりと安定しているということから、「かなえ」は政治や地位の安定、安泰を示 す言葉として広く用いられています。火風鼎の時には、バランスのよい三本足により安定を得られることから、安定のための協調性が求められます。すなわち協 力が成功のためのポイント となる時です。会社でいえば経営者、従業員、消費者間の調和がとれて順調な時です。三者の協力が会社の発展に大いに寄与することでしょう。新しいもの、た とえば新しい意見、新しい 人材などを加えて内容を改める時でもあります。ただし、三角関係には要注意の時です。 | |
初爻 | 爻辞 | 鼎〓趾。利出否。得妾以其子。无咎。 (ていあしをさかさまにす。あしきをいだすによろし。しょうをえてそのこをもってす。とがなし。) |
対処法 | 「〓」はさかさまのこと。「鼎の脚をさかさまにして、汚物を出すのが良い。妾をもらって、その子を得て問題はない」。役に立たないも のは一掃し、古い問題は解決するべき時です。まず、新しいものを取り入れる前に内部を整えることが大切です。 | |
二爻 | 爻辞 | 鼎有実。我仇有疾。不我能即。吉。 (ていじつあり。わがあだやまいあり。われにつくあたわず。きち。) |
処法 | 「我仇」は敵。「疾」は嫉妬のこと。「こちらは実力が充分にある。それを我が敵が嫉妬する。結局、こちらに近づくことが叶わず吉」。 足手まといとなる者や事柄が身近に存在する時です。タカをくくらず、行動を慎むこと。 | |
三爻 | 爻辞 | 鼎耳革。其行塞。雉膏不食。方雨虧悔。終吉。 (ていのみみあらたまる。そのこうふさがる。きじのあぶらくらわれず。まさにあめふらん としてくいをかく。ついにきち。) |
対処法 | 「鼎の耳がとれ、持ち上げられずに、雉の脂身を食べることができない。だが、やがて雨が降って鼎を冷やすから悔いはなくなる。最終的 には吉」。目当てのものを目前にして、やりすぎて失敗する時です。火加減はほど良く、穏和な やり方に変更すること。 | |
四爻 | 爻辞 | 鼎折足。覆公〓。其形渥。凶。 (ていあしをおる。こうのそくをくつがえす。そのつみないころさる。きょう。) |
対処法 | 「「〓」はご馳走。「渥」は重刑のこと。「鼎の脚が折れて、公のご馳走がひっくり返ってしまった。重刑に処せられ凶」。基礎がひ弱な
ため重荷に耐えきれず、ひっくり返ってしまう時です。実力をわきまえるべきです。または右腕と
する部下は慎重に選ぶこ
と。 ◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。 |
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五爻 | 爻辞 | 鼎黄耳金鉉。利貞。 (ていこうじきんげん。ていによろし。) |
対処法 | 「鼎に黄金の耳と金のつるが付き、堂々としている。貞正であれば良い」。今までの努力が報われる時です。人の意見をよく聞くこと。 ◎大変良い時です。 |
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上爻 | 爻辞 | 鼎玉鉉。大吉。无不利。 (ていぎょくげん。だいきち。よろしからざるなし。) |
対処法 | 「鼎に宝石で飾られたつるが付き、堂々としている。大いに吉。よろしい」。有終の美を飾れて運気盛んな時です。人との協力を忘れず堅
実路線で進むこと。 ◎大変良い時です。 |
※太極・陰陽・八卦(天、沢、火、雷、風、水、 山、地)の解説については、こちらをクリックしてご覧下さい。
※コンピューター上で表示されない古語 は「〓」で表示しました。この 古語は「易経入門」の中には記載しています。
※易経六十四卦はそれぞれ、卦象、卦辞、爻辞からなります。1. 乾為天と2.坤為地の所には卦象と爻の位置関係を詳しく記してお ります。