41.山沢損(さんたくそ ん)損して得取る時
卦 象

運勢予報
晴れ
卦  辞
損。有孚。元吉。无咎。可貞。利有攸往。曷之用。二〓可用亨。
(そんはまことありげんきち。とがなし。ていすべし。ゆくところあるによろし。なにおかこれもちいん。にきもちいてきょうすべし。)
運  勢
「損」は減らす、損失、奉仕などの意味。「〓」は神前へのお供えを盛る竹の器で、「八〓」が正式だが、「二〓」にまで簡略化して、質 素の極限を表現したもの。「山沢損の時、誠があれば大いに吉。問題はない。貞正にして進んで良い。祀るに何を用いるべきか。質素な二つの竹皿を供えれば良 い」。山沢損の時は、物心両面ともに損失のある時です。しかし、目先の利益に惑わされず、しかも見返りを期待せずに、変わらぬ気持ちでこつこつと奉仕の姿 勢で進むことがポイントです。たとえ今は損するようであっても、誠意をもって行えば、後には必ず自分の身に大きな利益となって戻ってきます。「損して得取 る」、大きな心で投資しましょう。
初爻 爻辞 已事〓往。无咎。酌損之。
(ことをやめてすみやかにゆく。とがなし。はかりてこれをそんす。)
対処法 「事」は携わっている仕事のこと。「自分の仕事をやめて速やかに行く。問題はない。事情をくみ取った上で自分を損することだ」。実 情を見て適正に行うことも大切です。限度を知るべし。
二爻 爻辞 利貞。征凶。弗損益之。
(ていによろし。ゆけばきょう。そんせずこれをえきす。)
対処法 「貞正にして動かぬのが良い。進んで事を行えば凶。自分は損することなく他を益する」。動かずに自分を大切にしたほうが良い時です。 見守って自立を促すことも人助けのうちです。
三爻 爻辞 三人行則損一人。一人行則得其友。
(さんにんゆけばすなわちいちにんをそんす。いちにんゆけばすなわちそのともをう。)
対処法 三人で行けば一人が仲間外れになるが、一人で行けば友を得られる」。共同で行うより単独で行ったほうが成功しやすい時です。多くを望 まず目標を一つに絞ること。
四爻 爻辞 損其疾。使〓有喜。尢咎。
(そのやまいをそんす。すみやかならしむればよろこびあり。とがなし。)
対処法 「疾」は病根のこと。「病根を断ち切る。速やかならば喜びがある。問題はない」。障害を速やかに除くべき時です。手当は早めにするこ と。
◎良い時です。
五爻 爻辞 或益之。十朋之龜弗克違。元吉。
(あるいはこれをえきす。じっぽうのきもたがうあたわず。げんきち。)
対処法 「十朋之龜」は非常に高価かな亀のこと。「思いもよらず益される.この上なく立派な亀で占う必要もない。大いに吉」。思わぬ助力を 得られ、難なく利益の得られる時です。
◎大変良い時です。
上爻 爻辞 弗損益之。。无咎。貞吉。利有攸往。得臣无家。
(そんせずこれをえきす。とがなし。ていきち。ゆくところあるによろし。しんをえていえなし。)
対処法 「自分を損することなく他を益す。問題はない。貞正にして吉。進んで良い。自分の家のことを忘れるくらいに奉仕をしてくれる良き臣下 を得る」。部下の惜しみない協力を得られるのはもちろん、大いに信望を集める時です。誠意を大切にしましょう。
◎大変良い時です。
※太極・陰陽・八卦(天、沢、火、雷、風、水、 山、地)の解説については、こちらをクリックしてご覧下さい。
※コンピューター上で表示されない古語 は「〓」で表示しました。この 古語は「易経入門」の中には記載しています。
※易経六十四卦はそれぞれ、卦象、卦辞、爻辞からなります。1. 乾為天2.坤為地の所には卦象と爻の位置関係を詳しく記してお ります。