30.離為火(りいか)灼 熱の太陽を浴びたような時
卦 象

運勢予報
晴れたり曇ったり
卦  辞
離。利貞。亨。畜牝牛吉。
(りはていによろし。とおる。ひんぎゅうをやしなえばきち。)
運  勢
「離」は麗く、または離れること。「離為火の時、貞正であれば良い。通じる。牝牛のような柔順さを守って吉」。この卦はと火が重なり、強烈な火を表して います。それは天の太陽であり、地の文明であり、人の輝ける知性や燃える情熱です。離為火の時は、才能を発揮するチャンスに恵まれますが、自分の付くべき 立場を見定め謙虚に従うべきです。そして外面を美しく飾るだけでなく、内面の充実を図るため、学問などに励むことです。強烈に火が燃え盛る危険な時、何事 も火を扱うように慎重に行ない、火が飛び移るような変わりやすい気持ちや短気を抑えて行動することです。
初爻 爻辞 履錯然。敬之无咎。
(ふむことさくぜんたり。これをけいすればとがなし。)
対処法 「錯然」はまぎらわしいこと。「足もとがごたごたしている。慎重に事を行えば問題はない」。見通しが悪く足元に注意する時です。とに かく最初が肝腎ですから、丁寧に丁寧に行うことです。
二爻 爻辞 黄離元吉。
(こうりげんきち。)
対処法 「黄」は中央の色。「離」は太陽のこと。「黄金の太陽が輝き、大いに吉」。まさに時を得てあなたの知性が冴えまくり、実力を発揮して 波に乗り、財運にも恵まれる時です。ただし慎重さをお忘れなく。
◎大変良い時です。
三爻 爻辞 日昃之離。不鼓缶而歌。則大耋之嗟。凶。
(ひかたむくのり。ふをうちてうたわず。すなわちたいてつのなげきあり。きょう。)
対処法 「缶」は徳利。「大耋」は八十歳の老人のこと。「日が傾くように人生にも夕暮れの時が訪れる。宴会では徳利を叩くだけで皆と一緒に歌 おうとしない。老人が晩年を嘆く。凶」。見切りを付けるべき時です。自分だけのけ者にされないようにしましょう。
◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。
四爻 爻辞 突如其來如。焚如。死如。棄如。
(とつじょそれらいじょ。ふんじょしじょきじょ。)
対処法 「突然にやって来る。焼かれ、殺され、捨てられる」。危険がいっぱいで、思わぬ災難を被る時です。守りに徹しましょう。火事、色難に 要注意。
◎あなたの考え方、進み方に大きな欠陥があります、よく反省し、方針の転換をしましょう。
五爻 爻辞 出涕沱若。戚嗟若。吉。
(なみだをいだしてだじゃく。いたみてさじゃく。きち。)
対処法 「沱若」は涙があふれ流れること。「嗟若」は悲しみ傷つくこと。「涙がとめどもなく流れ心が傷つき、憂い嘆く。今は危うい時であるこ とを知り、身を慎めば吉」。苦労の多い時ですが、謙虚にふるまえば通じます。目上の人の助力を乞うこと。
上爻 爻辞 王用出征。有嘉折首。獲匪其醜、无咎。
(おうもちいいでてせいす。こうべをくじくをよみするあり。うることそのたぐいにあらず。とがなし。)
対処法 「醜」は衆、すなわち小人のこと。「王が出陣して征伐をする。敵の大将の首を取るが雑兵は逃してやる。問題はない」。社長自らが陣頭 指揮をとる時です。強気で当たるべき時ですが、目的達成のあかつきには寛大な処置をお忘れなく。
◎良い時です。
※太極・陰陽・八卦(天、沢、火、雷、風、水、 山、地)の解説については、こちらをクリックしてご覧下さい。
※易経六十四卦はそれぞれ、卦象、卦辞、爻辞からなります。1. 乾為天2.坤為地の所には卦象と爻の位置関係を詳しく記してお ります。