20.風地観(ふうちかん)人 生を深く洞察する時
卦 象

運勢予報
晴れ
卦  辞
観。盥而不薦。有孚〓若。
(かんはてあらいてすすめず、まことありて、ぎょうじゃくたり。)
運  勢
「観」は観光旅行の観、観察すること。目と心で見ること。「〓若」は厳正、厳粛なこと。「風地観の時、手を洗い清め、お供物を軽々し く捧げたりしない。誠が満ちていて、すべてのことが厳粛に行われる」。風地観の時」は祭祀に取りかかる時のように、誠をもって厳かに事を行えば、人から信 頼され尊敬を受ける時です。また、学問や趣味に力を注ぐ好機でもありますが、おおよそのことは現状維持を心がけることです。見聞を広める旅行をするには大 変良い時です。
初爻 爻辞 童観。小人无咎。君子吝。
(どうくかんす。しょうじんはとがなし。くんしはりん。)
対処法 「知恵不足の子どもが見るようなものだ。小人はそれでも問題はないが、君子がそのようであれば恥ずべきことだ」。目先のことしか眼 中になくて、本質をまったく見抜けていない時です。子供には保護者が必要なもの、他の人の意見 を良く聞くことが肝要です。
二爻 爻辞 〓観。利女貞。
(うかがいみる。じょのていによろし。)
対処法 「〓」は覗き見ること。「覗き見する。女子どものおしゃべり程度。貞正であれば良い」。視野が狭く、小さなことは良くとも、大きな事 を行うのは到底無理な時です。大局的に物事を捉えることを心がけること。
三爻 爻辞 観我生進退。
(わがせいをみてしんたいす。)
対処法 「自分の行き様ざまを見て進退を決定する」。自分のことを振り返って、分相応に努めましょう。一歩一歩着実に進むこと。
四爻 爻辞 観國之光。利用賓于王。
(くにのひかりをみる。もちいておうにひんたるによろし。)
対処法 「国,社会の動きを見る.王に引きたてられてアドバイザーになる」。観光という言葉はここからきたものです。見識の広さを見込まれ て、上司の引き立てを受けたりする時です。充分に観察して、充分に考えて行動することです。
◎良い時です。
五爻 爻辞 観我生。君子无咎。
(わがせいをみる。くんしはとがなし。)
対処法 「自分の生きざまをよく反省する。君子がこのようであれば問題ない」。責任ある立場に立たされて、気の抜けない時です。また、自分を 省みるだけでなく、「人の振り見て我が振り直す」べき時でもあります。あなたが上司なら、部下を見て、日ごろの自分の行いを反省すべきです。
◎良い時です。
上爻 爻辞 観其生。君子无咎。
(そのせいをみる。くんしはとがなし。)
対処法 「広く社会全体を見る。君子がこのようであれば問題ない」。超然と構えて、些細なことには関わらないことです。
◎良い時です。
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※コンピューター上で表示されない古語 は「〓」で表示しました。この 古語は「易経入門」の中には記載しています。
※易経六十四卦はそれぞれ、卦象、卦辞、爻辞からなります。1. 乾為天2.坤為地の所には卦象と爻の位置関係を詳しく記してお ります。