18.山風蠱(さんぷうこ)空 気がよどんで物が腐ったような時
卦 象

運勢予報
大雨
卦  辞
蠱。元亨。利渉大川。先甲三日。後甲三日。
(こはおおいにとおる。たいせんをわたるによろし。こうにさきだつさんじつ、こうにおくるるさんじつ。)
運  勢
「蠱」は腐敗のこと。「山風蠱の時、大いに通じる。大川を渡っても良い。そのためには、戦争をする三日前に用意をし、三日後には戦争 が終結するよう迅速に腐敗を取り除くことだ」。蠱の字をよく見て下さい。皿の上の三匹の虫が、お互いに食い合っている姿です。皿の上は腐敗してウジが湧い ています。山風蠱の時は、どんなに表面はよく見えても、その内部はどろどろした難問が山積の時です。会社では経理のごまかしがあったり、社内不倫があった りの時です。この卦が出た時は、一刻も早く、過去から放置されてきた弊害、腐ったものを取り除くべきです。大胆に新風を吹き込んで再出発にかけるべし。
初爻 爻辞 幹父之蠱。有子考无咎。誌I吉。
(ちちのこをかんす。こあればちちとがなし。あやうけれどもついにきち。)
対処法 「幹」は治める、「考」は亡き父のこと。「父の失敗の後始末をする。子がいれば亡き父も問題はない。危ういところがあるが最終的には 吉」。今なら手の施しようがあります。傷が浅いからといっても油断は禁物です。
二爻 爻辞 幹母之蠱。不可貞。
(ははのこをかんす。ていすべからず。)
対処法 「幹」は治めること。「父亡き後、母の失敗の後始末をする。あまり厳しい荒治療はするべきではない」。融通性をもって穏やかに後始末 をするべき時です。正論に走るとマイナスになります。
三爻 爻辞 幹父之蠱。小有悔、无大咎。
(ちちのこをかんす。すこしくくいあり。おおいなるとがなし。)
対処法 「幹」は治めること。「父の失敗の後始末をする。小さな悔いはあるが,大きな問題はない」。腐敗が大きく、危険性もあるときですが、 最後まで辛抱してやり遂げることです。
四爻 爻辞 裕父之蠱。往見吝。
(ちちのこをゆたかにす。ゆきてりんをみる。)
対処法 「父の失敗をかえって大きくしてしまう。このまま進めば,恥の上塗りになる」。大胆さが求められる山風蠱の時、あなたの優柔不断な態 度と中途半端なやり方が問題なのです。
◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。
五爻 爻辞 幹父之蠱。用誉。
(ちちのこをかんす。もちいてほまれあり。)
対処法 「幹」は治めること。「父の失敗の後始末をする。人に誉められる」。破産会社に乗り込んで再建に成功するような時です。すっきりした 気分で再出発に臨むこと。
◎山風蠱の中では良い時です。
上爻 爻辞 不事王侯。高尚其事。
(おうこうにつかえず。そのことをこうしょうにす。)
対処法 「宮仕えに見切りをつけ,自分ひとり高潔を守る」。高みの見物、世俗から身を引く時です。引退の好機かもしれません。
※太極・陰陽・八卦(天、沢、火、雷、風、水、 山、地)の解説については、こちらをクリックしてご覧下さい。
※易経六十四卦はそれぞれ、卦象、卦辞、爻辞からなります。1. 乾為天2.坤為地の所には卦象と爻の位置関係を詳しく記してお ります。