11.地天泰(ちてんたい)天 下泰平、万事順調の時
卦 象

運勢予報
晴れ
卦  辞
泰。小往大来。吉亨。
(たいはしょうゆきだいきたる。きちにしてとおる。)
運  勢
「泰」は安泰、通じるということ。「地天泰の時、つまらぬ小人(しょうじん)が出て行き、大人(たいじん)が寄ってくる。吉にして通 じる」。地天泰の時は、君子が集まり、小人が去ったような時です。人間関係も和気あいあいと協力的で、万事がスムーズに運びます。万事順調の時です。めで たくて平和であるこの卦は、易者の看板のシンボルとなっています。 しかし、天下泰平の時は、いつの世も長く続くわけではありません。「盈つれば食(か)ける」のが世の常です。謙虚な気持ちで現状維持を心がけ、現在の安泰 の時をできるだけ永続きさせるようにしましょう。
初爻 爻辞 抜茅茹。以基彙。征吉。
(ぼうをぬくにじょたり。そのたぐいをもってす。ゆけばきち。)
対処法 「茅」はイネ科の多年草。「茹」は草の根が連なること。「彙」は仲間のこと。「茅を抜くとその根が連なって抜けるように、仲間と協力 して前進すれば吉」。チームワークをフルに活用することでうまく行く時です。
◎良い時です。
二爻 爻辞 包荒用馮河。不遐遺。朋亡得尚于中行。
(こうをいるひょうかをもちう。かいせず。ともほろぶればちゅうこうにあうことをう。)
対処法 「荒」は荒野。「馮河は徒歩で大河を渡ること.。「遐遺」は遠きを残す、すなわち遠くの人を忘れること。「朋亡」は私情にとらわれな いこと。「中行」は正しい道。「荒野を開拓し、徒歩で大河を渡るような度量と勇気があり、遠くの人を忘れずに、私情にとらわれないで中道を得る」。思い 切って実行に踏み切って良い時です。細心の注意と気配りに基づいた勇断であるべし。
◎良い時です。
三爻 爻辞 无平不陂。无往不復。艱貞无咎。勿恤。基孚于食有福。
(たいらにしてかたむかざるなく。ゆきてかえらざるなし。かんていなればとがなし。うれうるなかれ。それまことならばしょくにおいてさいわいあり。)
対処法 「艱貞」は困難に耐えて貞正を守ること。「食」は欠け、衰えること。「平らなものは傾かないということはなく、往ったものは帰ってこ ないということはない。困難に耐えて貞正を守っていれば問題はない。心配しなくとも良い。誠があれば衰えの中にも幸いがある」。栄枯盛衰は世の習い、治に 居て乱を忘れぬ態度で日々精進すれば、見ている人はちゃんといるものなのです。
四爻 爻辞 翩々不富。以基鄰。不戒以孚。
(へんへんとまず。そのとなりをもってす。いましめずしてもってまことあり。)
対処法 「翩々」はひらひらと飛ぶ様子。「戒」は警戒し疑うこと。「取りがアひらひらと飛ぶように、自分の富は心にもかけずに隣人と協力し合 う。警戒することなく誠を持って対することだ」。自分は金持ちだなどと威張らずに、お隣りとも真心をもってよく付き合うときです。謙虚さが大切。
五爻 爻辞 帝乙帰妹。以祉元吉。
(ていおつまいをとつぐ。もってさいわいありげんきち。)
対処法 「帝乙」は殷の紂王の父。「帝乙が妹を優秀な臣下に嫁がせた。このようであれば幸いを得られ大いに吉」。いろいろな人と良い関係の作 れる時です。部下にもすばらしい人材がいます。人の力を借りて目的が果たせる時、また果たすべき時。
◎大変良い時です。
上爻 爻辞 城復于隍。勿用師。自邑告命。貞吝。
(しろからぼりにかえる。しをもちいるなかれ。ゆうよりめいをつぐ。ただしけれどもりん。)
対処法 「隍」水の渇れた濠。「師」は戦争。「邑」は村。「城壁が崩れ去って元の隍に復ってしまった。出兵してはならない。命令が村から出さ れるようでは貞正にしていても恥をかくことになる」。屋台骨が折れ、せっかく築き上げてきたものがガラガラと無残に崩れ去る時です。会社も家庭も統制がな くバラバラです。あなたが上司であるならば、部下に信頼されずに命令が無視されてしまうでしょう。
◎あなたの考え方、進み方に大きな欠陥があります、よく反省し、方針の転換をしましょう。
※太極・陰陽・八卦(天、沢、火、雷、風、水、 山、地)の解説については、こちらをクリックしてご覧下さい。
※易経六十四卦はそれぞれ、卦象、卦辞、爻辞からなります。1. 乾為天2.坤為地の所には卦象と爻の位置関係を詳しく記してお ります。