5.水天需(すいてんじゅ)今 はとにかく待つ時
卦 象

運勢予報
晴れたり曇ったり
卦  辞
需。有孚光亨。貞吉。利渉大川。
(じゅはまことありおおいにとおる。ていきち。たいせんをわたるによろし。)
運  勢
「需」は待つこと、「光」は大いに、ということ。「水天需の時、誠があれば大いに通じる。貞正にして吉。時期を待って大川を渡っても 良い」。 水天需の時は、待てば必ず来る、これがポイントです。ただし、「慌てる乞食はもらいが少ない」というように、早く手に入れようと焦ったり、急進してはなり ません。静観しつつ、常日頃、あなたの持っている実力や知識の手入れを怠らず、さらに磨きをかける姿勢が大切なのです。それも悠々と飲食を楽しみながら。 すなわち、水天需の時は心と体にたっぷりと栄養を摂らせて、将来、大川を渡るための準備をする時なのです。各爻では、どのようにして待つべきかが場面に応 じて解説されています。
初爻 爻辞 需于郊。利用恒。无咎。
(こうにまつ。つねをもちうるによろし。とがなし。)
対処法 「郊」は郊外、田舎のこと。「郊外で待つ。変化を求めず、日常のことを続けておく。問題はない」。今までのやり方を守って、心を動か さない時です。今は中心から遠く離れて待つことです。
二爻 爻辞 需于沙。小有言。終吉。
(しゃにまつ。すこしきことあり。ついにきち。)
対処法 「沙」は砂地のこと。.「水辺の砂地で待つ。少々ゴタゴタがあっても、最終的には吉」。何かトラブルが起こっても、時間が解決してく れます。口論は避け動揺しないことです。
三爻 爻辞 需于泥。致寇至。
(でいにまつ。あだのいたるをいたす。)
対処法 「寇」は敵、賊のこと。「水際の泥地で泥にまみれて待つ。敵が攻めてくる」.。動けばやられる、油断大敵の時です。じたばたせず、息 を殺して待つことです。
◎あなたの考え方、進み方に問題があります。よく反省し、改めましょう。
四爻 爻辞 需于血。出自穴。
(ちにまつ。あなよりいず。)
対処法 「血の中で待つ。やがて穴の中から脱出できる」。困難の真っただ中、力強い援助がある時です。脱出の時までじっと待ちましょう。
五爻 爻辞 需于酒食。貞吉。
(しゅしょくにまつ。ていきち。)
対処法 「飲食をしながら待つ。貞正にして吉」。間もなく、待望の渡し舟が到着します。待った甲斐があったというもの。英気を養って、心安ら かに悠々と待つことです。
◎大変良い時です。
上爻 爻辞 入于穴。有不速之客三人来。敬之終吉。
(あなにいる。まねかざるのきゃくさんにんきたるあり。これをけいすればついにきち。)
対処法 「速」は待つ。したがって「不速」は待たない、すなわち思いがけないの意味。「穴にはまり込んでしまった。思いがけない客が三人やっ て来る。丁重にもてなせば最終的には吉」。窮地に陥る時ですが、思わぬ人から思わぬ援助が得られます。受身に徹すること。
※太極・陰陽・八卦(天、沢、火、雷、風、水、 山、地)の解説については、こちらをクリックしてご覧下さい。
※易経六十四卦はそれぞれ、卦象、卦辞、爻辞からなります。1. 乾為天2.坤為地の所には卦象と爻の位置関係を詳しく記してお ります。